エクセルからPDF作成の注意点
多くの職場や個人の方がエクセルを使用して様々な業務を行っており、そのデータを印刷物に使用したいというニーズは少なくありません。ワードなどと同様エクセルもPDFに変換することで印刷用の入稿データにすることが可能です。その際の注意点、対処方法などを解説いたします。
Acrobat Pro「ヘアラインの修正」を使用して罫線を太くする
エクセルのデータでよくあるトラブルが「画面でははっきり見えていた罫線が印刷すると消えてしまった。(あるいは、細すぎてかすれてしまった。)」また、「データを作成されたお客様のプリンタでは、はっきり印刷されていた線が印刷会社の高解像度プリンタや印刷機ではかすれてしまう。」などとういものです。エクセルで使用する罫線はきめ細かな太さの設定を行うことができづ、一番細い線を選択すると上記のようなトラブルが起きてしまいます。
そこでエクセルからPDFに変換した後に、Acrobat Proを使用して罫線を太くする方法を解説いたします。
※Acrobat ProはPDFの作成や編集をおこなうことができる、Adobe社の有料ソフトです。
1.作成したPDFをAcrobat Proで開く
PDFに変換したサンプルデータ(下図)の罫線1〜3は、エクセルの「セルの書式設定」図の通り指定しました。このデータは画面上ではどの罫線もはっきり見えています。しかし、このPDFをプリンタ出力すると「罫線1」は非常に細いかすれた線で印刷されてしまう場合があります。
※PDFの作成は「MS Office、一太郎などからのPDF作成」を参照下さい。
・エクセルの「セルの書式設定」
2.「ヘアラインを修正」を利用
画面右側のツールメニューを表示し「印刷工程」をクリックします。続いて「ヘアラインの修正」をクリックします。
「ヘアラインの修正」ダイアログが開きます。
まず単位を選択します。ここでは「ポイント」を選びました。「ヘアライン処理の最大しきい値」に「0.2ポイント」と入力し、「置換え」を「3ポイント」としました。この設定は、0.2ポイント以下の罫線を3ポイント幅にに置換えるということです。
※3ポイントは修正の結果を分かりやすくするための極端な数値です。実際の印刷に用いる最少の線幅は「0.3ポイント」程度が目安です。
3.修正結果
下図が修正の結果です。目的の「罫線1」は3ポイントに変更することができました。しかし、意図しない置き換えも起きてしまっています。「ボールド」を指定した文字が膨らんでしまいました。ボールド設定とはフォントの字形を形取る輪郭線に線幅を持たせて「擬似的に太い文字」を作っており、この現象はその輪郭線が「ヘアラインの修正」によって太くなってしまったということです。
このように「ヘアラインの修正」自体は非常に簡単にできるのですが、目的の線だけを置き換えるということができません。この例のような場合は、エクセルに戻ってボールドを解除(または“太ゴシック”などにフォントを変更)し、再度PDFを作成し直す必要があります。また、グラフや配置した画像(ベクトルイメージ)なども注意が必要です。
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